Il est Bel et Bon

歌詞 日本語訳

Il est bel et bon, commere, mon mary

Il estois duex femmes toutes d'ung pays.

Disans l'une a l'autre, avez bon mary?

Il est bel et bon, commere, mon mary

Il ne me courousse ne me bat ausssi:

Il faict le mesnage,

Il donne aux poulailles

Et je prens mes Plaisir.

commere, c'est pour rire

Quant les poulailles crient

co co co co co dac, co co dac....... Petite coquete..........

Petie coquete qu'esse cy?

Il est bel et bon, commere, mon mary

うちの亭主は男前でお人好し

同じ地方の二人の女が話している

御亭主はいい人なの?

うちの亭主は男前でお人好し

うちの人は怒ったりぶったりしないのよ

家の仕事はなんでもするし

にわとりにえさもやる

おかげで私は楽しいことができるわけ

にわとりの鳴き声がまたおかしいのよ

コケット、コケット(浮気女)だって

何の意味かしら?

うちの亭主は男前でお人好し

《内容について》

とりあえずは、軽快かつ意味深な曲ですよね…。
働き者で気のいい旦那さんが知らないところで(?)、奥さんは浮気をしている。しかも奥さんからしてみれば、「それがなんなの?」と言わんばかりの野放図な感じ。 …浮気という単語を聞いただけで大喜びしそうなメンバーの方が2人ほど目に浮かびますね(苦笑)

何度も繰り返される「Il est bel et bon, commere, mon mary」という部分は、「うちの亭主は男前でお人好し」という意味ですから、指示があったように軽快に歌うことを心がけることが大切なのではないでしょうか。

女声と男声の掛け合い「Il ne me courousse ne me bat ausssi:(うちの人は怒ったりぶったりしないの)」からは、旦那さんが温厚な人であることが分かります。
そして「Il faict le mesnage, (家の仕事はなんでもする)」、「Il donne aux poulailles(にわとりにえさもやる)」と、何でもやってくれる実直な旦那さんであると続けた上で、「Et je prens mes Plaisir.(おかげで私は楽しいことができる)」と持ってくるわけです。
各パートともに、この「Et je prens mes Plaisir.」の部分は、その直前と比べてレガートでたっぷりと歌う音型になっているはずです。 「(亭主が何でもやってくれる、)それだから私は楽しんでいるのよ」という、実直な旦那さんを尻目に人生を(?)楽しんでいる様子が表れるように、この女性の気持ちを込めてたっぷり歌うといいのではないかと思います。

その後の部分については、「Quant les poulailles crient」で音量を小さくするように指示がありました。
鶏の鳴き声のところでかけていくクレッシェンドを生かし、強弱のダイナミズムをつけられるようにするために、この部分できちんと音量を落とすことが大切ですよね。 ただ、歌詞の意味内容と音型から考えると、もしかしたらその直前の「commere, c'est pour rire」の部分で落としてしまってもいいのかもしれないですね。 練習時には、無意識でそうなっているパートもあったように思いますが…。

鶏の鳴き声のところでは、各パートともに小刻みで動いていますが、きちんとリズムを感じてタテを合わせることが不可欠ですよね。
ソプラノとテナーには「Petite coquete(浮気女)」の歌詞が繰り返して、アルトとバスには最後に1回だけ出てきますが、この部分は「浮気女」が意味深に強調されるように歌い方に気を配ったらいいかもしれないですね。
その直後の「qu'esse cy?」は、「なんの意味かしら?」と奥さんがとぼける様子を表現できたらいいのかも。
大きな流れの中で急に歌い方を変えるのは難しいかもしれませんし、変えるべきではないのかもしれないのですが…。

最後は「Il est bel et bon, commere, mon mary(うちの亭主は男前でお人好し)」を2回繰り返すわけですが、1度目は小さく、2度目は大きくの指示を忘れないようにしないといけませんよね。
特に、2度目に大きくするときに、「Il est bel et bon」の最初の1音からはっきりと大きく出すことに注意が必要かと思います。


《指揮者より追記》

練習の際に何度か話しましたが、ニワトリの鳴き声の部分は批判しているような感じで強めの歌い方をしてもらえたらと思います。
ニワトリの視点で考えて、いつもエサをくれている旦那さんを裏切っている奥さんに向かって「浮気女!浮気女!!」と罵っている感じが出せたら良いかな、と。
これも練習の時にお話ししましたが、この曲が短調なのは、恐らく「意味深さ」を表しているのではないでしょうか。なので、暗ーい感じで歌うのではなく、意味深な感じで軽快に歌えると良いと思います。